絵描きの記

絵描き 出口アキオの絵画制作と日々考えたこと、見たことの記録です。

2002-01-01から1年間の記事一覧

ゴッホの手紙

最近「ファン・ゴッホの手紙」という本を読んだ。 ゴッホが残したスケッチやデッサンと相まって痛烈に心を打つ。 メモをとりながら本を読んだことなど何年ぶりであろう…。 「自然に学ぶこと、現実と格闘すること… 僕は理屈をこねてこれをやめる気はない。 何…

BSハイビジョン

デジタルBSチューナーを買ったので、 ハイビジョン放送を見るのが最近の楽しみだ。 画像のきめが細かくワイドなので、好きな美術や旅番組は見応えがある。 先週、NHKの「国宝100選」という番組では、 日本の国宝から100点を選んで紹介していた。 結構楽しみ…

「有元利夫展」 ~東京ステーションギャラリー~

今も有元利夫の作品は、書籍や雑誌、カレンダーなど様々な印刷物で目にする。 最初に見たのはやはり「安井賞」で大賞を獲った作品であったと思う。その直後、画家の死を知った。僕が大学生の頃だ。 藝大卒業制作1973年から死の前年の絶筆1984年まで、わずか1…

駄洒落好き

大新聞の駄洒落好きは今に始まったことではないが、 本日のA新聞の見出し… 「そんな馬鹿な…シカと間違え馬射殺? ハンターを逮捕」 記者はこの見出しを思いついたとき、「これはいける!」と思ったのだろう。 しかし、そのあとすぐに「いくらなんでも、馬鹿…

ついに…

日本に初めての本格的ポルトガル料理レストランがオープンしたので、 早速行ってきた。 渋谷の松涛にある可愛い一戸建てのお店だ。 さすがに話題になっているのか盛況で、予約していおてよかった…。 僕はポルトガルへ旅して以来、 こんなに美味しくて日本人…

「ピカソ―天才の誕生―」 ~上野の森美術館~

10代のピカソの作品を集めた展覧会。 それにしても凄まじく早熟である。 12才で描いた石膏デッサンは、石膏の質感まで見事に描き分けている。 これって砂糖と塩を描き分けるくらい難しい技術だと思うのだが…。 圧巻は画家でもあった父(幼いピカソの絵を見て…

「ウインスロップコレクション」 ~国立西洋美術館~

久々の国立西洋美術館。 今日は散歩がてら、開館前の朝9時すぎに列に並んだ。 チケットを買い求め、定刻ピッタリにドアが開いた。 美術館の開館と同時に入場なんて、めったに経験がないので驚いたが、美術館の人全員が並んで、「おはようございます。いらっ…

天の怒り

今日はものすごい雨が断続的に降り続いた。 仕事が終わって、ビルの玄関まで出たら「うぉりゃ~、どないや~!」 とばかりの豪雨。 多くの人たちが出るに出られない状態で、 玄関ホールで小降りになるのを待っている。 僕もしばらく待っていたが、面倒くさく…

お暑うございます

連日の猛暑、熱帯夜が続いている。 夜になっても一向に熱気が冷めない。 自宅ではあまり冷房を使用しないので、毎晩なかなか眠れないし、 少し眠ってもすぐ目が覚める。 やっと寝付けたかと思うと、恐い夢を見て冷や汗もびっしょりで飛び起きる。 白々と明る…

コンビニを考える

「コンビ二さえあれば、なにもいらない」 シアトル・マリナーズ、イチロー選手の言葉。 サッカー・ワールドカップでの長い合宿生活から開放された日本代表の一人、 アレックス選手が「今一番したいことは?」という問いに対しての答えが 「コンビニに行きた…

究極の選択

普段テレビは、つけていてもBGM的に流していることが多い。 絵を描きながらのBGM的テレビとして快適なのはメジャーリーグ中継や ニュース、料理番組など…深夜枠の再放送なども良い。 あれほど熱狂的だった阪神タイガースの試合も真剣に見なくなった。 星野野…

嗚呼チキン南蛮

出張で宮崎に行ってきたのだ。 わずか3食だったが、魚も肉も美味しかった。 到着した日のお昼に「ま寿司」というのを食べた。 ま寿司の「ま」は「まいわし」の「ま」ということ…。 この季節ならでは旬の味だ。 日向地鶏の産地だけあって、鳥料理も美味。 「…

本屋を考える

最近、「本が読みたいのに読みたい本に出会えないよ~」 というジレンマに陥っている。 例えば、読みたいと思う本が大きな書店に行けば、 必ず出会えるとは一概に言えない。 書評などの情報があって、目的の本が既に決まっている場合はともかく、 売り場面積…

絵画志向

最近は、油、油、油画!ということで 気になる作品の志向もちょっと変化してきた。 ムクムクと盛り上がってきたのは久々の登場、 アンゼルム・キーファーである。 南仏で悠々の巨匠生活…と聞いて依頼、 「けっ!行き着く先はみんな同じか!」と ボブ・ディラ…

「北斎と広重 ―風景版画の世界―」~浮世絵太田記念美術館~

浮世絵太田記念美術館へ初めて行った。 地下鉄の明治神宮前駅で降りてすぐ。 館内へは靴を脱いで、スリッパに履き替えて入る。 美術館の人が書いたであろうか… 浮世絵についての解説等が鉛筆で下書した上に、 ポスターカラーで丁寧にレタリングしてある。 懐…

喫茶店考

平日の午後、お茶の水駅近くのスタバ。 店内の8割以上は学生だ。 高校生から大学生、そのうちの半分くらいは 一心不乱に自習している。 自宅や図書館などよりファミレスやカフェの方がきっとはかどるのかな。 たしかにファミレスなどはテーブルも広いし、 コ…

市電の走る町

出張で熊本へ行った。 この町の中心部からは熊本城が見えて 市電が縦横に走っている。 車内の床張りが木製で、どこか子供の頃に乗った 「チンチン電車」の趣を残している車両もあれば、 まっ白なボディが颯爽と駆け抜ける最新式車両もある。 新旧の世代が仲…

「雪舟」 ~東京国立博物館~

ずっと、行かなければと思っていた企画展。 国立博物館の前を通るたび1時間待ち以上の長蛇の列だったので、「また今度…」「次は絶対…」と思い続けているうちに会期も残りわずかになり、今日に至った。 金曜日は閉館時刻が午後8時まで延長されるので、5時に入…

「油画の卒業制作と自画像」 ~東京藝術大学大学美術館~

東京藝術大学油画科が前身の東京美術学校時代から卒業制作と併せて、学生に課した自画像より、明治29年から昭和29年までの作品を集めた展覧会。 広いギャラリーに10号くらいの大きさの油彩画が延々と並ぶ。 なかでも明治から大正にかけての作家(学生)たち…

夢見る力

年をとってくると朝早く目が覚めるのは、 体力が落ちてくるから… 眠るにも体力が必要であると聞いたことがあるが、 夢を見るにもそれなりの鍛錬と知力が必要なのか… 最近ちっとも夢を見ないと思ったら、 買った本も本棚に積みっぱなしでいっこうに進まないし…

ミジンコとミュージシャン

昨日、ETV2002「シリーズ私のB面」を観た。 長年自宅でミジンコを飼っていて生態の観察を続けている ジャズサックス奏者の坂田明さんが主人公。 最初から最後までミジンコの生態とミジンコに対する情熱を 親父ギャグを交えながら、楽しくかつ熱く語っていた…

「藤島武二展」 ~ブリジストン美術館~

東京駅まで行ったついでに、久々にブリジストン美術館へ行った。 藤島武二といえば、有名な「黒扇」で知られるように人物画の印象が強かったのだが、今回の展覧会は人物もさることながら、風景画が非常に素晴らしかった。 初期は黒田清輝が提唱した外光派の…

「ブラックホーク・ダウン」 ~上野宝塚~

リドリー・スコット監督最新作。 ベテランから若手スターまで魅力あるキャスティングを擁しているが、この作品でスコット監督は、登場人物への感情移入を最小限に抑えた演出に徹している。 作戦の開始から、予想外の戦闘ヘリ墜落、暴徒と化した民衆の容赦な…

不意打ちのレンブラント

昔、「不意打ちのビートルズ」にはよくやられたものだ。 自宅でレコードやCDを聴くときは、パッケージや袋を開けて、 プレーヤーの電源を入れて… 無意識のうちに「これから聴くぞ」という心の準備ができるのだが、 街をぶらぶらしているときなどに、突然"You…

明治神宮の森へ

今日は久々に神宮球場へ野球観戦に行った。 この球場はこじんまりしているが、 なんといってもアクセスが便利で気軽に行ける。 チケットもコンビにで買えるし、これも便利。 また、場内の売店での飲食類は西の甲子園ほどではないが、 それなりに充実している…

「カンディンスキー展」 ~東京国立近代美術館~

美術の中でやはり絵画に一番興味が惹かれる。 もちろん、これまでに彫刻や伝統工芸、デザインなどにも魂を揺さぶられるような作品はたくさん出会った。 しかし、僕の中で絵画は神聖な領域である。 ゆえに画家は永遠に崇高な仕事であると思うし、それが巨匠と…

死を想え

年に何回か突然「死の恐怖」が襲ってくる。 死んだ瞬間がわかるはずもないが、 この世から暗黒の彼方に落ち込んでいくような恐怖が ものすごく身近に感じてしまい、わけのわからない不安感にかられる。 そのうち耳鳴りが「ウワンウワン」してきて、発狂しそ…

美しいと感じるこころ

谷川俊太郎氏の「ひとり暮らし」(思草社)という本の中で 氏が「サウンド・アート=音というメディア」という展覧会を 見た(聞いた)あとの感想を書かれていた。 「…もしこれも『アート』なら、アートが目指すはずの美というものは どこに行ってしまったの…

携帯メール

長いこと使っていた携帯がバッテリーを替えなければならなくなったので、 (携帯の電池は高い)新しいのに買い換えた。 そのついでに遅ればせながらメールもやるようになった。 それにしても親指がうまい具合に動かない。 僕は本当に不器用で、いまだにパソ…

梅まつり

湯島天神では梅が満開。 連日多くの人々が訪れている。 境内では猿回しなども開かれていてにぎやかだ。 鮮やかな紅梅から上品な白梅まで… 眺めているだけで気持ちが落ち着く。 桜も好きだが、桜はすぐに「死」を連想してしまうのと、 悲しい思い出もあるので…