絵描きの記

絵描き 出口アキオの絵画制作と日々考えたこと、見たことの記録です。

日常・鑑賞

人間の幸せって…

今日、久々においしいラーメン屋を発見した。 しかも会社の近く…。 今日は塩味のとりそばにしたが、次回は醤油にしよう。 お昼の楽しみがひとつ増えた…。

犬の惑星

映画「猿の惑星」が大ヒットしているそうだ。 監督が、あのティム・バートンなので、 「思い切って猿ではなくて犬でもよかったのでは」と知人に言ったら、 「『猿の惑星』には『計り知れない恐怖』とうい奥深いテーマが 据えられているので、決しておちゃら…

そそる芸術新潮

今月号の芸術新潮、表紙を見ただけで、そそられる。 思えばこの絵、「出産の聖母」を見るためにモンテルキへ行ったときは、 バスを間違えて降りてしまい、辿り着くまでえらく苦労した。 本屋の雑誌コーナーはイタリアだらけ… でも、兎に角また行きたい。ああ…

「A.I.」 ~梅田東映パラス~

スピルバーグは、はたして本当にこの作品を作りたくて作ったのだろうか…。 確かにSFXをはじめ細部まで丁寧に作りこまれた良質の作品である。しかし、「E.T.」や「未知との遭遇」で体験したワクワクする気分の高揚や作品から発せられる純粋な生命感など“Somet…

「よみがえる日本画」 ~東京藝術大学美術館~

日本画の保存・修復技術の紹介・解説と模写作品の展示を中心とした展覧会。 横山大観や速水御舟などの手による模写作品は、単に写しただけでなく模写のレベルを越えて崇高な精神性が感じられる。それも美術学校在学中か20代での仕事である。しかししかし…そ…

「トゥールズ・ロートレック展」 ~東武美術館~

この「トゥールズ・ロートレック展」を最後に東武美術館が閉館した。 昨年のセゾンミュージアムに続いて、昨今の百貨店経営の厳しさが窺えるような現実である。 池袋はモダンアート&デザインの西武に対して、古典絵画&印象派の東武みたいなイメージでバラ…

「2001両洋の眼展」 ~日本橋三越本店7階ギャラリー~

タイトルが示すとおり、日本画と西洋画がバランスよくかつ違和感なく展示されており、現在の画家の創作上の方向性みたいなものが、おおまかに把握できるような構成になっていて楽しめた。 様々なスタイルと技法を試みている作品が居並ぶ中、島田章三氏の作品…

「鑑真和上展」 ~東京都美術館~

鑑真和上は12年間に渡り、幾度の苦難、6度の航海を乗り越えて来日…。この行動力や不屈の精神力は当然ながらすごいと思うが、彼を口説き落として呼び寄せた当時の日本人もすごいと思う。この時代、乱れた国を仏教の力でまとめようと必死だったのではないか。…

「レンブラントへの贈り物」 ~シャンテシネ 1~

多くの芸術家の人生は、結構トラブル続きだ。 決闘試合で相手を殺害して逃亡の果てに死んだカラバッジョや、パトロンである教皇ユリウス2世との確執が終生続いたミケランジェロ、また、ピカソはその過激な性欲ゆえに結婚・離婚を繰り返し、その度に精神的ス…

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」 ~新宿ピカデリー1~

非常に重い内容のストーリーだが、緻密に計算されたと演出とカメラワーク、溢れんばかりのビョークの才能が鑑賞後も深い余韻を残すミュージカル映画の傑作だ。 いきなり真っ黒な画面で音楽のみが流れるオープニングから、ハンディカメラを使った8ミリ映画の…

「ベルギーの巨匠5人展」 ~伊勢丹美術館~

ジェームス・アンソール、レオン・スピリアールト、コンスタント・ペルメーク、ルネ・マグリット、ポール・デルヴォー… 彼ら5人は、かつてフランドルと呼ばれたベルギーの出身であり、19世紀末~20世紀にかけて、ほぼ同時代を生きた作家たちであるが、「印象…

「ハインリッヒ・フォーゲラー展」~東京ステーションギャラリー~

展覧会場での肖像画や写真を見ての推測であるが、 青春期から青年期のハインリッヒ・フォーゲラーは、芸術家というより繊細かつ 神経質、感情にやや起伏のある文学青年といった印象を受ける。 初期の作品から受ける文学的な憂いは、「ちょっと微熱」状態であ…

「サイレンス」 ~渋谷シネマソサエティ~

先週観た「アンジェラの灰」と同様、子供の豊かな表現力が存分に活かされた作品。 舞台は旧ソ連のタジキスタン。 盲目の少年コルシッドは民族楽器の工房で働いているが、研ぎ澄まされた感性(聴力)がかえって災いしてしまい、美しい音色を聞くと、我を忘れ…

「1」 ~ザ・ビートルズ~

ビートルズの究極のベストアルバム。 個人的には「Song track」のあとは、「Oldies」をぜひ再発させてほしかったけれど、ビートルズ2000年のニューアルバムは、英米でナンバワンヒットになったシングル曲ばかり集めた最強のベストアルバム…と言われている「1…

「アンジェラの灰」 ~シネマ・カリテ1~

アラン・パーカー監督の最新作。 舞台は、大恐慌時代の1930年代から第二次大戦前後にかけてのアイルランド南西の町、リムリック。 ニューーヨークから引き上げてきた主人公のフランク・マコートとその両親、兄弟はこの町に移り住むことになる。 来る日も来る…

「伊藤若冲展」 ~京都国立博物館~

伊藤若冲という画家を初めて知ったのは、今年の1月に東京国立博物館で開かれた「皇室の名宝」展で「動植綵絵」という鳥や植物を中心とした超細密画のシリーズを見たときだ。そのときの第一印象は、今回の展覧会のキャッチフレーズにもなっているように「こん…

「小出楢重展」 ~京都国立近代美術館~

この人にあと20年、せめて10年の命があったらどんな作品を残していただろう。また、その作品が後世の人にどんな影響を与えることになっただろうか…。そんなことを夭折した作家の作品に接するたびに考えてしまう。 ラファエロ・サントス37歳、ピーター・ブリ…

「中国国宝展」 ~東京国立博物館 平成館~

4月に同じ平成館に「日本国宝展」を見に来たときは、平日にもかかわらず本当にすごい人だった。土日だと数時間待ちだったかもしれない。今回も休日は、かなりの人出だろうと予想して平日に出かけた。 僕がなぜこんなに人出を気にするかというのは、典型的な…

「マルコヴィッチの穴」 ~新宿東急~

「マルコヴィッチの穴」という不思議なタイトルを聞いたときから興味がそそられた。俳優ジョン・マルコヴィッチの頭の中に通じる穴を見つけたときから、主人公の悲劇が始まるのだが、冒頭の人形劇から始まって、スッピンで歯並びまで変えたキャメロン・ディ…

「ゴッホ素描展」 ~安田火災東郷青児美術館~

今日二つ目の美術展。 ゴッホは世界中で最もたくさんのファンを持つ画家の一人であろう。しかし、僕はこれまでゴッホが少し苦手までいかないが、見ていてちょっと圧倒されすぎるというか、激しすぎて退いてしまうようなところがあった。 アムステルダムへ行…

「現代中国の美術展」 ~日中友好会館美術館~

飯田橋駅から徒歩5分くらい日中友好会館内にある美術館。以前勤めていた会社の取引先がこの建物の中にあったので,一時は足しげく通ったものだが、美術館へは今回が初めてだ。中国第9回全国美術展受賞者の中からの選抜展らしい.。 女性人民解放軍兵士を描いた…

「菅井汲 展」 ~東京都現代美術館~

東京都現代美術館はでかい。 しかし予算の問題もあるのか、この器を生かしきった企画がオープン以来少ないのは残念だ。 この空間に負けない作品を作るのも大変だと思うが、コレクションの目玉がリキテンシュタインやウォーホールといった60年代のポップアー…

「グラディエーター」 ~新宿ピカデリー1~

リドリー・スコット監督の最新作。 まず第一に感じたのは、傑作「ブレードランナー」との類似点だ。 例えばローマ市外を俯瞰で見るシーンは「ブレードランナー」の冒頭シーン、近未来のLAとオーバーラップした。また巨大なコロセウムはピラミッド型のタイレ…

「ムッソリーニとお茶を」 ~新宿 シネマ・カリテ2~

最初にタイトルだけ知ったときから興味がそそられた。 舞台は第二次世界対戦前後のイタリア中部トスカーナ地方。 トスカーナの町々の美しい風景を、イギリス人のちょっとシニカルなユーモアセンスでくるんで、アメリカ人の憎めない滑稽さを少しふりかけたよ…

「石井柏亭 絵の旅」 ~渋谷区立松涛美術館~

松涛美術館は、渋谷の東急百貨店から少し入った静かな住宅街にある。 水が流れる音が心地よく、落ち着いた雰囲気でじっくり鑑賞できる。 石井柏亭という画家については、東京国立近代美術館で作品を1点見た ことがあるだけで、ほとんど知らなかったが、偶然…

「フェルメールとその時代展」 ~大阪市立美術館~

今年2000年はフェルメールブームだ。 少し前までは日本でフェルメールといえば少しマニアックで、あまり一般的ではなかったのではなかったかと思う。 フェルメール関係の書籍も探すのに苦労したような気がした。 それが去年くらいからどの書店でもフェルメー…