タイトルが示すとおり、日本画と西洋画がバランスよくかつ違和感なく展示
されており、現在の画家の創作上の方向性みたいなものが、
おおまかに把握できるような構成になっていて楽しめた。
様々なスタイルと技法を試みている作品が居並ぶ中、
島田章三氏の作品は「これぞ油絵」というか、その貫禄に惹きつけらてしまった。
オーソドックスな作風のなかも色彩と配置、なにげなく切り取ったキャンバスの
切れ端にしても、それをどこにそれを貼るか、すべてが計算し尽くされていて
画面からビシバシ、パワーと風格を感じる反面、大先生の作品なのに不思議と
親しみやすさが伝わってきた。
あと、中国の作家で陳文光氏の日本画による抽象画作品は、
少しクリムトみたいであったが、微妙な色使いが素晴らしかった。
恥ずかしながらこのような企画展が毎年行われているとは知らなかったが、
日本の「絵画の今」が窺える展覧会として次回からも楽しみだ。