絵描きの記

絵描き 出口アキオの絵画制作と日々考えたこと、見たことの記録です。

ケイゾクのチカラ

今日のNHK 新日曜美術館は、18歳から70年間毎日、

絵日記を描き続けている日本画家、守屋多々志画伯。

その数はなんと25000枚にものぼる。

わずか5分ほどで見る見る間に仕上がるスケッチは、

正に70年の修練に裏打ちされた技の賜物…

最小限の線と色彩で素早く、的確に対象を捉えていく…

画家としての眼を鍛えるために、普段のスナップでも

カメラを一切使わない。

子供の成長の記録もすべて絵日記で描かれている。

軍隊に招集されていたときの中国の風景、イタリア留学、

鎌倉や身の回りの草花等々…

創作活動と人生が日常生活のなかで静かに一体化している。

それにしても若い頃の守屋画伯はちょっとピカソに似ていて、

う~ん、かっこいい…。

もちろん90歳近くになった現在もすごくいい顔をされている。

人生において、ひとつのことを信念を持って貫き通した人の顔だ。

作品と同じように清々しさと穏やかな気品を感じる。

とにかく僕も、もっと描かなければいけない。

今日の番組のような「真の画家の仕事」を見ると、

僕など絵を描いているうちには、まったく入らない。

とても恥ずかしい…。

継続することの重要性を改めて教えられた。