絵描きの記

絵描き 出口アキオの絵画制作と日々考えたこと、見たことの記録です。

「気持ちE」

最近描いたものです。

近年、科学技術が文化が発達すればするほど不満を感じることがあります。確かにトイレは水洗で便座も温かい、蛇口をひねるとお湯は出る、ネットで買い物したら翌日には届く、スマートフォンで何でもできる…でもでも「ああ心地よくて幸せ…」「気持ちいい~」とは思わない。なぜでしょう。その代わりお店に入るにも仕事に出るにもマスクマスク、買い物すれば有料レジ袋、意味のないゴミの分別、テレビもネットも人の悪口か、賢い人や正しい行動は取り上げず、馬鹿の醜態ばかりがクローズアップされるばかり…。そんな便利なようで息苦しい令和の時代と反して、江戸の世は貧しく不便も多かったと思いますが、今よりずっと「気持ちのよい社会」ではなかっただろうか…そんなことを考えながら私の今の想いを葛飾北斎の「富嶽三十六景 凱風快晴」の赤富士と個性豊かな江戸の人々を背景に描きました。

 

幕末の日本を訪れたオランダ人が日本各地を巡って感じたのは、当時の日本人は貧しくてもどこも治安がよく、みな礼儀正しく清潔で、なにより驚いたのはどこへ行っても子供が元気で笑っていること、その子供達を皆で可愛がっていることだったそうです。当時のヨーロッパでは子供は生産のための労働力であり、庶民階級では子供が笑っている光景を目にすることも子供を可愛がるという概念もなかったそうです。テレビの欧米かぶれの解説者がすぐに環境問題や人権問題で「欧州に学べ」とか声高々に語っていますが、真に学ぶべきは日本の近代、江戸時代にあるのではないでしょうか。

そんな私自身がつい最近までヨーロッパかぶれでした。しかし歴史をほんの少し深掘りすると、江戸~明治までは日本の方があらゆる面で欧米より圧倒的に優れていたと強く感じます。日本が今の荒廃した欧米に学ぶことは、あくまでも反面教師として見るべきです。自国の歴史、とくに江戸時代に改めて学び直し、東南アジアや中近東の親日各国と友情を深めることが大事だと思います。

画題の「気持ちE」は江戸時代のEです。

 

 

Gallery Wanderlust

akioの絵はこちらへ(iichiのショップ)

akioの人物画はこちらへ(BACE akio's art shop)

 

ランキングに参加しています。

よろしければポチッとお願いいたします😊

にほんブログ村 美術ブログ 油彩画へ