絵描きの記

絵描き 出口アキオの絵画制作と日々考えたこと、見たことの記録です。

「日本人的美徳」

突然ですが、コンビニやドラッグストアに行くのに
パンツを履いて行かない人はいないでしょう。
履いて行かないと捕まってしまいます。
そして2020年以降、日本でマスクを付けないことは、
それ以上に恥ずかしいことや規律違反のようになりました。
きっとこれが令和の「日本的美徳」なのでしょうか…。

私は日本人ほど強みと弱点がコインの表裏のように
中合わせになった民族も珍しいと思います。
日本人が好む清潔さや正直さ、人に迷惑をかけたくないという生真面目さ、集団的規律を自発的に守る意識…
それらは素晴らしい反面、時には弱点となるようにも感じます。


新型感染症に関してはずっと描いてみたかったテーマです。
私は予防接種やマスクの効果について否定派ではありませんが、各分野で専門家の様々な意見があるようです。
しかし、予防接種やマスクの効果に少しでも疑問を呈したり、正確なデータ、エビデンスや核心に触れようとすると、ネット上でも言論が封殺されてしまうようです。
今の日本は身も心も非常に息苦しい社会だと思います。
未だに続く、そしておそらくこれからまだまだ続くであろう新型感染症社会に関して私が思う気持ちをこの絵に込めました。

 

そして今回は、十代の頃見た「アングル展」でひときわ印象に残った作品「泉」の構図やイメージをもとに描きました。
アングルと言えば19世紀古典主義派の重鎮、フランスアカデミズムの親分…
その作品は陶器のような絵肌と洗練された構図…。

高校生の時に展覧会で見た私は「美しい!これが本当に上手な油絵だ」と感じ、もっと油絵をやりたいという強い思いが沸いてきたのを記憶しています。
新型感染症とアングルの「泉」…まったく関係ありませんが、
当時の熱い思いを胸いっぱいに高まらせて、これから絵を描いていきたいという意気込みを持った自分と、今は生物としての根源である空気を吸って吐くことすら自由満足に出来ない状況を対比して考えました。

そんな何ともやるせない状況にあっても、私は不思議にどこか楽観的で、今の息苦しさを創作の糧として活かしたいという気分でもあります。

 

今回の作品をご覧になって不快になった方はすみません。
でも美術って、いつの時代も多少なりとも「不謹慎なもの」ではないでしょうか。

16世紀のヨーロッパのように宗教的思想や信条だけでなく、ねつ造や噂、迷信で「異端者」「魔女」と決めつけられた社会…

今の日本社会は火あぶりにはならないけど、極端で歪曲された教義と非科学的抑圧に支配された当時のヨーロッパとあまり変わらないような気がします。

 

 

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