もう先々週の話だが、横浜で開かれたAPEC。
会議場に飾られていたのは、世界的に著名な千住博氏の滝の作品だ。
ニュース映像で繰り返し映されるこの絵が気になった。
日本にとっては、やっとの思いで漕ぎ着けた日中首脳会談だったはず…
しかしながら、終始メモを読み上げる菅首相。
その光景をを見て、怒りや呆れの感情を通り越した驚愕の表情で、
いろんな首脳や要人と会談を重ねた中でも、
おそらく始めての経験だったのではないだろうか。
引き続き、ロシアのメドヴェージェフ大統領との会談…
冒頭の握手では、大統領は首相の手もまともに握ろうとしない。
明らかに相手を拒絶している感じが見て取れた。
両首脳とのぎこちなく白々しい雰囲気の会談…
背景には、モノトーンの滝が寒々しく、
今にも凍りつきそうに流れ落ちている…。
こんな会談、なかったことにして「水に流して」とはいくまい。
日本の経済、国力が滝つぼの奥深く深く、沈み込んで行くような不安感と、
なによりも今回の両会談の失敗をあの冷たい絵が象徴しているというか、
饒舌に語っているように思えた。